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第6回産業日本語研究会・シンポジウム開催のご案内

開催の趣旨について

平成27年1月

日本語を見つめ直し、今後の産業日本語を考える

産業日本語研究会では、産業用文書の作成に適し、産業分野・科学技術分野における情報発信力や知的生産性の飛躍に貢献するとともに、わが国産業界全体の国際競争力の強化に資する日本語(「産業日本語」と呼称します)に関し、昨年に引き続き「第6回産業日本語研究会・シンポジウム」を下記のとおり開催することになりました。

本シンポジウムでは、日本語に関する取組や研究について一層の発展を目指すべく、言語処理分野の若手研究者から産業への応用研究についてご講演いただくほか、各分野(法令工学、テクニカルコミュニケーションなど)の有識者によるパネル討論等を行います。様々な角度・視点から日本語を見つめ直しつつ、今後の産業日本語のあり方について議論を深めることで、産業日本語に関わる研究の新たなステップにつなげ、我が国産業に大いに貢献できる機会になるものと考えております。

本シンポジウムは、以下の日時、内容にて行ないます。参加費は無料です。ぜひ多数の方にご参加いただきたく、ご案内申し上げる次第です。よろしくお願いいたします。

 

顧問: 長尾 眞 (京都大学名誉教授)
代表: 井佐原 均 (豊橋技術科学大学)
  辻井 潤一 (マイクロソフトリサーチアジア研究所)
  橋田 浩一 (東京大学)
  隅田 英一郎 (情報通信研究機構)
  横井 俊夫 (日本特許情報機構特許情報研究所)
  潮田 明 (元奈良先端科学技術大学院大学)
  河合 弘明 (日本特許情報機構)

 


■主催:

高度言語情報融合フォーラム(ALAGIN)、言語処理学会、日本特許情報機構(Japio)

■後援:

総務省、経済産業省、特許庁、国立国語研究所、情報通信研究機構、工業所有権情報・研修館、情報処理学会、人工知能学会、アジア太平洋機械翻訳協会

■日時:

平成27年2 月24日(火) 午後1時~午後5時55分

■場所:

東京大学 情報学環・福武ホール ラーニングシアター(東京大学 本郷キャンパス)

■テーマ:

日本語を見つめ直し、今後の産業日本語を考える

■参加費:

無料(事前登録制)
※座席に若干の余裕がありますので、当日の申し込みもお受けいたします(先着順となります)。

 


<< プログラム >>

(1)開会挨拶

13:00 - 13:05

 

  長尾 眞 京都大学 名誉教授

 

第一部 招待講演

13:05 - 14:05

 

(2)暗号研究者から見た言語・論理とデジタルフォレンジック

 

  辻井 重男 中央大学研究開発機構 機構教授
/ 一般財団法人マルチメディア振興センター 理事長
/ 一般財団法人放送セキュリティセンター 理事長

概要:古典暗号時代に、暗号解読とその誤訳などが、第1次・第2次大戦の勃発に及ぼした深刻な影響について触れた後、現代暗号研究者から視た組織通信における言語と論理の役割を多角的に考察する。特に、現代暗号の安全性証明における論理的証明、クラウド環境下における秘匿検索・暗号化状態処理のための自然言語処理と論理学の活用、及び、デジタルフオレンジックや公共情報コモンズ(災害情報伝達システム、Lアラート)における言語翻訳課題の緊急性について考察する。

(3)特許審査情報の世界への発信と産業日本語
    -グローバル知財戦略支援の取組-

 

  大町 真義 特許庁審査第二部福祉機器 審査長

概要:企業等のグローバル知財戦略を支援するうえで望ましい状況は、特許出願人が日本で特許を取得すれば、その審査結果が海外の審査でも参考にされ、海外でも権利を速やかに取得できる状況である。このことを考慮し、特許庁での審査関連書類を海外の庁でも参照可能とするよう、日英機械翻訳を活用した情報発信システムが構築されてきた。本講演では、審査において作成する書類を、日本語としてわかりやすいとともに、同システムにより機械翻訳されても理解されやすい文章により記載することを目指した、特許庁における取組を紹介する。

《 休憩 10分 》

 

第二部 活動報告

14:15 - 14:55

 

(4)特許版・産業日本語の活動報告

 

  河合 弘明 一般財団法人日本特許情報機構 調査研究部長

概要:人に理解しやすく、機械翻訳など言語処理技術を活用するコンピュータにも処理しやすい日本語研究のうち、特許情報への応用を対象としたものを「特許版・産業日本語委員会」で研究・分析してきた。以下のテーマを中心に報告する。

  • 明晰な特許文章を書き、論理的に明確な特許明細書を作成するための「特許ライティングマニュアル(初版)」 改版に向けた作業進捗
  • 法的観点での適正な特許書類を目指す「36条ルール化検討」 特許法第36条(記載要件)の違反類型等に基づく拒絶理由通知書の分析等

(5) 日本人のための日本語マニュアル

日本語マニュアルの会(順不同)

  横井 俊夫 東京工科大学 名誉教授
/ 一般財団法人日本特許情報機構特許情報研究所 顧問
  石崎 俊 慶応大学 名誉教授
  佐野 洋 東京外国語大学 教授
  石黒 圭 一橋大学 教授
  猪野 真理枝 翻訳家 / 語学教材制作家
  烏 日哲 一橋大学国際教育センター 非常勤講師

概要:日本人は、日本語を使えるが日本語の仕組を十分に知っているわけではない。日本語文章の分析能力を養成するための「日本人のための日本語マニュアル」が必要である。本年9月上梓を目標に「日本語マニュアルの会」がマニュアル制作を進めている。マニュアルの書名と章立ては、以下のようになる予定である。

『日本人のための日本語マニュアル ‐言葉の仕組を学び、外国語との対照を通じて日本語スキルを磨く‐』
 はじめに マニュアルの目的、マニュアルの構成と利用の仕方
 1章 文書・文章ライティングのモデルプロセスを学ぶ
 2章 情報を表し情報を伝える言葉の仕組みを学ぶ‐日本語と外国語とを照らし合わす‐
 3章 「表す日本語」へと言い換え、「伝える日本語」へと言い換える
 4章 「訳せる日本語」へと言い換える
 5章 コンピュータの支援機構を活用する‐文章校正ソフトと機械翻訳ソフト‐
 おわりに さらなるスキルアップのために‐参考資料‐

産業日本語を定着させるためには、それぞれの機関・組織・業界・分野がそれぞれの文書目的に沿ったライティングマニュアルを整備しなければならない。本マニュアルが各所での整備作業の一助となることを願うと共に、そうなるための効果的な仕組を用意する予定である。

《 休憩 15分 》

 

第三部 言語処理分野の最前線

15:10 - 16:10

 

(6)産業日本語としての医療カルテ文章

 

  荒牧 英治 京都大学デザイン学ユニット 特定准教授
/ 独立行政法人科学技術振興機構 さきがけ研究員

概要:医療カルテは、施設毎、患者毎に作成されるため大量に生産される。また、臨床的な意義だけでなく、研究に二次利用されるという学問的な価値や訴訟の際には法的根拠にもなりうる法的重要性の高い文章である。しかし、多くの個人情報が含まれるため、一般の目に触れることは滅多にない。本発表では、医療カルテの可能性及び、これを扱う研究の普及活動について議論する。

(7) 日本語を対象とした統計的機械翻訳の進展

 

  Graham Neubig 奈良先端科学技術大学院大学 助教

概要:人手を介さずに翻訳を行う機械翻訳は、言葉の壁を破り情報の流通を促進する可能性があるとして、長年注目されている。しかし、比較的類似しているヨーロッパ言語間の機械翻訳が既に高い精度を実現している一方、他の言語と特徴が大きく異なる日本語では翻訳精度が比較的低い。このため、日本の翻訳産業における機械翻訳の利用実績はヨーロパに比較して遥かに少ない。しかし、近年の研究では、かつて遠い言語同士の翻訳を苦手としていた統計的機械翻訳の進展により、異なる言語構造を持つ言語でも翻訳性能が着実に向上している。本発表では、日本語を対象とした翻訳の性能向上につながっている「正確な並べ替えモデル」「原文に存在しない単語の補完」「ニューラルネットによる翻訳モデル」など、最新の研究トピックについて説明する。

(8)特許オントロジーの構築とその特許検索への応用

 

  難波 英嗣 広島市立大学大学院 情報科学研究科 准教授

概要:特許データベースからオントロジーを構築する手法について述べる。オントロジーは、文献を検索したり、高度な言語処理を行ったりするための有用な情報源として活用されている。しかし、オントロジーを人手で構築し、更新することは非常にコストがかかる。一方で、テキストデータベースからシソーラスやオントロジーを自動構築する様々な手法が提案されているものの、人手による構築作業に取って代わるレベルまでには至っていない。そこで、本講演では最小減の労力で効率的にオントロジーを構築する枠組みについて述べる。また、オントロジーを用いた特許検索システムを紹介する。

《 休憩 15分 》

 

第四部 パネル討論

16:25 - 17:55

 

  座長 井佐原 均 豊橋技術科学大学 教授
  パネリスト 乾 健太郎 東北大学 教授
    影浦 峡 東京大学 教授
    外山 勝彦 名古屋大学 教授
    勝田 豊彦 一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会
/ ハイテクノロジー・コミュニケーションズ株式会社

 

第五部 懇親会・意見交換会

18:00 - 19:00

 

※第五部 懇親会・意見交換会は、福武ホール ラーニングスタジオにて行ないます。ささやかですが、飲み物など準備しておりますので、こちらも是非ご参加ください。

■シンポジウム全般のお問い合わせ先

高度言語融合フォーラム(ALAGIN)内
 産業日本語研究会シンポジウム事務局 担当 岡本
 TEL 03-3351-8166

■事前申込締切 2月20日(金)

※座席に若干の余裕がありますので、当日の申し込みもお受けいたします(先着順となります)。
  申込手続等についてご不明な点がございましたら、上記までにご連絡いただければ幸いです。

■事前申込先

事前申込みは終了しました